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用途:

使用法と安全上の知識

保管上の注意

クロルピクリン剤は医薬用外劇物。必ず鍵のかかる冷暗所に保管しましょう。

準備


機具等の準備

保護具: 吸収缶 (活性炭入)付き防護マスク、保護メガネ、不浸透性手袋、ゴム長靴、長袖の作業衣等を準備する。
注入器: 薬量目盛は正確か、液漏れ、ノズルの目づまりはないか等を点検する。
薬剤: 冷暗所に保存しているものを使用する。

圃場準備

薬剤の効果をあげるための圃場の整備

・前作の茎葉や根など残渣を取り除く

・圃場はなるべく深く耕し、細かく砕く。凸凹がないよ

 うに整地する

・圃場の水分は軽く握って割れ目ができる程度が目安

施肥

・消石灰や石灰窒素のアルカリ性肥料を施肥する場合は、

 10日以上前に行う。
・未熟有機物のすき込みは避ける。

処理方法および危被害の防止

【処理方法】

本剤の処理には、液漏れ、液だれがなく、正確に注入量を調節できる土壌消毒機を使用すること

床土・堆肥

床土・堆肥を30cmの高さに積み、30×30cmごとの深さ約15cmの位置に所定量を注入し、直ちに覆土する。 更に30cmの高さに積み上げこれを繰り返す。最後にポリエチレン・ビニールシート等で被覆し、7日以上おく。

圃場

耕起・整地後、全面処理の場合30×30cmごとの深さ15cmの位置に所定量を注入し、直ちに覆土し、ポリエチレン・ビニールシート等で被覆する。処理後10日以上経過し、土中にクロルピクリンガスが無いことを確認してから、は種または定植する。(植溝処理、植穴処理、畦処理も全面処理に準じる。)

りんご・桑

病株・病根等を除去した後、約60cmの深さに耕起、整地し、30×30cmごとの30~40cmの位置に所定量を注入し、直ちに覆土し、ポリエチレン・ビニールシート等で被覆する。処理後20日以上経過し、土中にクロルピクリンガスが無いことを確認してから植付ける。

たばこ

たばこの立枯病に対して深層土壌くん蒸する場合は、深層土壌くん蒸に適合した専用の土壌消毒機を用い、40×40cmごとの深さ30cmの位置に所定量を注入し、直ちに覆土、鎮圧する。

くん蒸処理から畦立てまでの期間を1ヶ月以上とる。乾燥した砂質圃場、土塊圃場では被覆すること。

【薬害への注意】

豆科植物

本剤で処理した本圃で豆科植物を栽培するときは、根りゅう菌を接種して、は種する。

(根りゅう菌が死滅している恐れがある)

は種・定植

くわを入れ臭気が残っているときは、よく切り返しガスの抜けを確認して植付ける。

うり類は本剤のガスに弱いので丁寧にガス抜きする。

消毒作業およびシートの被覆作業

作物

作物の生育中には薬害を生じるので使用しない。隣接地に生育中の作物がある場合には、揮散ガスによる薬害に注意すること。特に、生育中の作物があるハウス内では使用しないこと。

安全作業のポイント

・地温7℃以上の時使用(ガス化効果面)
・吸収缶(活性炭入)付き防護マスク、保護メガネ、不浸透性手袋、

 ゴム長靴、長袖の作業衣等を着用する。
・作業は暑い日中は避け朝夕の涼しい時間帯に行う。
・風向きに注意し、風下から風上に向かって作業を行う。
・人家や畜舎、鶏舎が風下になるときは作業を一時中断する。
・クロルピクリン缶に水を入れない。金属腐蝕を進め、液漏れの原因となる。
・また、水の混入したクロルピクリンは効果が不足する。

被覆

・消毒作業終了後、直ちにポリエチレン・ビニールシート(0.03mm以上)等で被覆する。

※ 気象条件や土質等によっては、標準的なくん蒸期間よりも長くなることも考えられますので、注意して下さい。

被覆除去と消毒後の注意

・クロルピクリンガスが完全に抜けた後、植付前に被覆を除去する。土質・土壌水分気温等、畑の状態によってガスが抜

 けるまでの時間に差が生じるのでガスが抜けきっていない時は、ガスが抜けきるまで待つか、耕耘によってガス抜きを行う。

・ガスが抜けたことを確認した上で、は種・定植をする。

(畑の2~3ヶ所で、クロルピクリンガスが無いことを確認する)

・土壌消毒した圃場へ靴底や農機具等から病原菌を圃場に持ち込まないように注意する。

・降雨などで病原菌が他から流れこまないように圃場の排水対策も行うこと。

・定植苗は無病で健全な苗を植え付ける。

揮散ガスによる危被害の防止

本剤処理後は、必ずポリエチレン・ビニールシート等(0.03mm以上)で被覆すること。

・ビニールハウス等の施設で使用する場合に注意すること。

・ビニールハウス内であっても被覆は必ず必要です。

消毒作業後の注意

消毒機の洗浄

・配管やポンプ内残薬液は使い切る。

・使用した消毒機の内部は必ず灯油で洗浄する。

・消毒機に付着した土壌を洗い流す場合、汚染水が川や池に流れ込まない場所

 で行う。

缶・ボトルの残液処理

・缶・ボトル内のクロルピクリンはできる限り使い切る。

・缶・ボトルの側壁面に残った液は、次項の「空缶・空ボトルの処理」の手順

 で適切に処理する。


空缶の処理(周囲に影響を及ぼさない場所で)

・使用済み容器は逆さにして薬液を土中にしみ込ませ、缶を空にする。

・空缶の底に穴を開け、風で転がらないよう2~3缶をロープで束ね畑の片隅等

 におく。

・臭気が完全になくなったことを確認の上、産業廃棄物として適切に廃棄処分

 する。

応急処置

<目に入った場合>

・直ちに多量の水で洗眼し、速やかに医師の手当を受けて下さい。けっして目をこすったりしないで下さい。

<皮膚に付着した場合>

・速やかに多量の水と石鹸でよく洗い流す。

<吸収した場合>

・新鮮な空気のある場所に移動し、安静にする。気分の悪い場合は医師の手当を受ける。